この道の先はまだまだ見えず

激重感情や感想を吐きだす用

13年前1冊の本に救われて、今でも救われ続けている話

 

まさかの2ヶ月連続くそでか感情ログインボーナス

2020年一体なんなん???

 

(先月のくそでか感情はこちら↓↓

人生を変えるようなジャンルに、あと何度出会えるだろう。

https://konashiaya.hatenablog.com/entry/2020/07/17/013010

 

 

レッドラの記事、思ったよりもすごくたくさんの方に見てもらえていたようでありがとうございました。びっくりしました。

私の記事をきっかけにレッドラ読んでくれたフォロワーも居て、書いた甲斐があったなぁととっても嬉しいです。布教が成功すると、嬉しいものですね。

でもまさか翌月またくそでか感情爆発するとは思わなかったよ。

 

というわけで、

紅玉いづきさん『ミミズクと夜の王』、コミカライズおめでとうございます!!!

 

本当に嬉しくて、職場で見て泣いちゃうくらい嬉しくて、るんるんしながら今月号の本誌とケーキを買いに行きました。ケーキはこれを書き終わったら食べます。

 

13年越しのコミカライズということで、そうかもう13年なのか……とすっごくしみじみしてしまいました。

 

ミミズク読んだことないという方は、私の記事はどうでもいいのでとりあえず原作を先に読んできてください。

 ミミズクと夜の王 (電撃文庫) 紅玉 いづき https://www.amazon.co.jp/dp/B00MXRQ2OQ/ref=cm_sw_r_tw_dp_x_2x8qFb2P9NABZ @amazonJPより

 

13年前、ミミズクとはじめて出会った私は中学にあがったばかりでした。

学校の図書室でたまたま……いやまるっきりたまたまでもないのだけれど、

電撃文庫のレーベル読みをしていて偶然手に取った本が、『ミミズクと夜の王』でした。

そのときからずっとずっと、ミミズクのことが大好きで、ミミズクに何度も助けられているなって、本当にそう思います。

 

おとぎ話みたいな空気感の、優しくてだけど少しの傷を伴う、少女の再生の物語。

気付けば読み終わってしまっているような、それでも心に大きなものを残していく。

私にとってミミズクと夜の王は、そんな小説です。

 

 

個人的な話になるのですが、私は小学校高学年のときにちょっぴりしんどい思いをしていました。子供らしい傲慢さで世界もう終わっちゃえ、って思いながら生きてた、正直あまり思い出したくない時代。

中学はやっとそんな日々が終わってちゃんと前を向くことができ始めた、そんな頃合いでした。けどまだやっぱり、傷がね、あって。まだ完全に自由ではなくて、どこかやっぱり臆病に過ごしていたと思います。いまではもう、大昔にも思えるような話ですけど。

 

そんな中で私はミミズクに出会って、この本を読んで、ほんの一言で救われて。

 

きっと私と同じ人、読者さんでたくさんいるんじゃないかなぁ。

ミミズクの「大したことじゃあないわ」で救われた、そんな人。

 

何気ない一言。でも間違いなく、好きな台詞でランキング取ったら絶対上位に入るよね。

私ももれなくそういう一人で、「大したことじゃあないわ」と笑うミミズクに憧れて、かっこいいなと思って、そんなミミズクが大好きになって。

読み終わってからまだ物語の余韻に浸って、ここまで物語でぐわんぐわん感情を揺さぶられたの、私にとってははじめてで、

泣き濡れた目をこすって、それでもその一言が、たぶんずっと忘れられなかった。

 

何回も何回もミミズクを読み返して、私は少しずつ、この物語を自分の血肉にしていった。

もちろん、ミミズクのあの言葉も。

お裾分けしてもらうように「大したことじゃあないわ」とつぶやけば、自分の中でその言葉は本当になるような気がした。

大したことじゃあないわ。

私のつらかったこと。悲しかったこと。寂しかったこと、傷ついたこと、ひとりぼっちで泣いた夜、それら全て。

大したことじゃあなかったの、きっと。

そうやって私ははじめて、流れる涙を見ない振りして、軽やかに笑ってみせる方法を覚えていったんだ。 

 

ミミズクみたいな少女に、ずっとなりたいと思っていた。

お守りみたいにミミズクの言葉を抱きしめて、私は大人になった。

もちろんいろんなことがあったし、あそこまでどん底ってことはなくても、しんどい瞬間はたびたび訪れた。でも私は、それを乗り切るための呪文をもう手に入れていた。

「大したことじゃあないわ」

その言葉を自分の中で唱えるたびに、少しだけど、自分がミミズクに近づけるような気がした。憧れの少女、大好きな女の子に近づけるような気が。

憧れに一歩近づける、ということは。それだけ自分のことが好きになれる、ということだ。

だから私は、弱音を吐くことも自己嫌悪をすることもそりゃあ何度もあるけれど――そうやってここまで生きてきた私のことを、そこそこ気に入っている。

 

いつまで経っても、ミミズクは私の憧れだ。

私のお手本みたいな子で、あんなふうに力強く、かわいく、まっすぐに生きていきたいと思ったし、今でも思っている。

もういつの間にか少女と名乗れる年齢はとうに超してしまって、正直私はそれがめちゃくちゃ嫌だった。だってそればっかりはどうしたって、「大したことじゃあないわ」で乗り切れないんだもん。

けれど、でも。

 

ねぇ、13年越しにコミカライズするんだって。ミミズクが。

今私は間違いなく、大人になってよかったなって思っている。

13年経って、良かったじゃん。もう少女じゃなくなっちゃったけど、大人になって良かったね。年月が経つの、案外悪いもんじゃないじゃん。

だってこうしてまた、かつての私が憧れたあの子に会えるんだからさ。

 

思えば、ずいぶん遠くまできたもんだなぁ、と思う。

かつて、小学校の図書室と自室の勉強机にしか、居場所のなかったあたし。

広い場所へと出て行けるような、自信をくれた、大切な一冊。

コミカライズのキャッチコピーはそういう意味ではないと、ミミズクとフクロウのことだと分かってはいるのだけれど。

『最果ての邂逅』――その言葉を見て、つい、ここまで歩いてきたあたしと、大切な少女、大切な一冊をどうしても重ね合わせてしまって、

やっぱりまた、泣いてしまいそうになるのでした。

 

あらためて、コミカライズ、本当におめでとうございます。

そして、またミミズクに出会わせてくれて、ありがとうございます。

連載開始をとっても楽しみ。

 

――愛することを、決めている。

だって私の、心から愛した物語だから。

 

 

 

 

ちなみに私の初恋の相手はクローディアスです。